君と描く花言葉。



「どんな風に難しいの?」


「……俺には、眩しすぎて」


「眩しい?」


「うん。絵を描くのって、例え見たままを描いてたとしても、想像力がいると思うんだ。
その花は、俺の想像力じゃ理解できない。
だから描けない」


「うーん……なんか、難しい」


「あ、ごめん。俺、話すの下手で……よくわかりにくいって言われる」


「あはは、多分そういう問題じゃない気がする……」



話すのが下手、というか。


言葉選びが独特だし、考えてることがそもそも変わってるよ。



「俺ね。たまに、なんで俺は人間なんだろうって思う」


「そこに疑問持っちゃう?」


「だって、人間の頭じゃ理解しきれないことだってたくさんあるし、人間の腕じゃ描けないことだっていっぱいあるだろ。
もっとこう……高性能な宇宙人になりたい」


「なにそれ。変なの〜」


「あ。冗談言ってると思ってる?俺、結構本気なんだけど」



ぷっ、と私が吹き出すと、セイジは少しだけ拗ねたように口を尖らせたけど。


それがまた面白くて笑い続ける私につられたのか、そのうちセイジも笑顔になっていた。



宇宙人かぁ。


セイジの考えてることはよくわからないけど、意外とファンタジーなことも考えるんだなぁ。



そんなの考えたこともなかったよ。



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