君と描く花言葉。
「ほら、持ってきたよ」
「ありがとうございます!」
「ねえエリカちゃん。横で見ててもいいかしら?」
「いいですよ。
お花とか動物を描こうかと思うんですけど、何か好きな動物とかいます?」
「そうねえ…うさぎちゃんとかはどうかしら?
リスも可愛いわよねえ。どんぐり抱えてるの!」
「全く、お前は注文が多すぎるんだ」
「ふふ。そんなことないですよ!
じゃあ、森の中みたいな感じにしましょうか」
まず、写真と文字を項目ごとに緑色で囲って。
くるくると巻きつくようなイメージの枠に葉っぱを書き入れて、ツタのようにする。
それで、余白にはお花や切り株、動物たちを書き込んでいく。
「あら〜!可愛いうさぎちゃん。
ふふ、本当上手ねえ。見てて楽しいわあ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「見て見て祥太郎さん!
どんぐりをかじってるリス!」
「見てるよ。お前ははしゃぎすぎだ」
「仕方ないじゃない。楽しいんだもの」
月森さんは私が何かを描く度にニコニコと褒めてくれるものだから、やめどきがわからなくなってしまう。
……あったかいなぁ。
こんなにほっこりするお店があったなんて。
ここにいると、自然に笑顔になれる気がする。