この空を羽ばたく鳥のように。
あとがき
 



ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました。


本編はここで終わりとさせていただきますが、今後サイドストーリー的なものを掲載してゆくつもりです。


喜代美さんの最期の時を本編のどこに挿入しようか、ずっと悩んで書いていましたが、入れると話が逸れてしまう気がしたので、あえて本編と分けて書くことにしました。


最終章は平成のあいだに書き綴っていたものを持ってきたので、まだコロナが広がってない時と捉えていただけたらと思います。
私の書く喜代美さんは、ちょっとご本人とかけ離れていて、おかしい人物で本当に申し訳ないです(汗)

物語自体も、ちょっと現実的でない内容になってしまいました。才能のなさを痛感しております(泣)
けれども私の中の喜代美さんは、死後もさよりのそばにいて見守り続けるイメージが強いんです。
なぜだろう。雄治さんと八十治さんはとっくに空へ飛んでいるのになあ。


コロナが広がってからずっと会津に行けてません。
すごく悲しい。早く収束して、なんの気兼ねもなく会津を訪れたいです。


しかし振り返ってみると、この小説にずいぶんと長い年月を費やしました……。おかしいな、当初は短編で済ませる予定だったのに。
別の小説サイトで書き始めてから、実に10年近くかかってしまってます。


思い返せばいろいろとありました。資料を読み漁りながらの執筆だったこともあり、いろんな会津藩士のエピソードを「あっ!これ入れたい。あれも入れたい」と思いつくまま書き入れたため、どんどん内容が膨れあがってしまいました。

「この空のした。」では書けなかった籠城戦もどうしても書きたかった。そこにもいろんな物語がありましたから。作中の人物が増えすぎるため、登場させるのを諦めた人もいます。


またインターネットでも自由に検索できる時代になりましたので、さまざまな幕末サイトを参考にさせていただき、楽しく閲覧することができました。

特に『幕末 WITH LOVE』は幕末の人物のエピソードなどがたくさん掲載されていて、時を忘れて閲覧してしまうほどでした。


それから本作品の中で一部抜粋して掲載させていただきました喜代美さんのお手紙、『津川喜代美書簡』の現代口語訳につきましては、幕末サイト『白虎彷徨』の管理人•羽角さまにご了承いただきまして掲載させていただきました。この場を借りてあらためてお礼申し上げます。作品の完成とともに遅くなりまして申し訳ございません。
羽角さま、ありがとうございました。


そんななか、ある幕末サイトの管理者さまが掲載されていた言葉に衝撃を受け、しばらく小説が書けなくなった時期もありました。

今探すとそのサイトが見つからなくて、言葉もすでにうろ覚えなのですが、「時代考証を無視したコスプレのような格好をさせて、面白おかしく作り上げるのは故人への冒涜だ」と言うような感じだったと思います。

私の中でのそれは、賛同する気持ちのほうが多くありました。たしかにあまりにも時代や本人からかけ離れた人物画などを見ると、違った見方をする人が増えるのではないか、との懸念もあります。

歴史を好きになるきっかけは、なんでもいいと思います。けれどもそこで留まらず、やはり本来の歴史を、本来の人を探究する気持ちを持ってほしい。そこから深く掘り下げてほしい。

実在の人物については尊厳を損なわないよう気をつけて書いていたつもりですが、自分もそれをしてしまっているひとりなのだと思うと落ち込む気持ちがありました。



でも不思議と小説を書くのをやめようと思ったことはありません。私の中で物語は続いており、いつか形にしたいという気持ちが消えなかったからです。


私の文章力の無さで、うまく表現出来なかった部分もあるかと思います。そこは読者さまのご想像で補っていただけたらと思います。(他力本願ですみません…)


またこのあいだに数々の出会いもありました。
この小説や、またはイベントなどを通して会津藩士のご子孫や関係者の方々と知り合えたことは私にとって喜びの出来事でした。





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