雪の光
荷物を掴み取って、廊下を走った。
下駄箱で靴を履き替える時間すらもどかしくてそのまま行こうかと思った。
とにかく駅まで走るしかない。
うちの学校は自転車通学が禁止されているから自転車なんてどこにもない。
何度も人にぶつかりそうになる度、「すみません!」といつもなら絶対に出ない声量で謝る。
どうにか電車に乗ることが出来ても早く病院に着かないかと気が気じゃない。
私以外の乗客は何も悪くないのに、舌打ちしたくなる。
たった30分くらい乗っていただけなのに、朝から晩まで乗っていたような気分だ。
まるで、私の時間と彗の時間だけが反比例のグラフを描いたようだ。
駅を出ると、病院は目の前だった。
あと少しの道が、とてつもなく遠く感じる。
私の足、もっと速く動いてよ!
どうにか病院の受付に着いて患者の名前を告げる。
「……雪宮、彗くんはいますか?
大事なんです、お願いします、会わせて下さい!」
自分がどう周りに映るかなんてどうでも良かった。