雪の光


「あの、お名前を教えてください」


「月岡です!お願いします!」


「あ、月岡さん!あなたなのね!

早く行ってあげて。雪宮さん、あなたの事をずっと呼んでいるの」


「ありがとうございます!」


看護師さんが走って案内してくれる。


「これを着て、消毒をして入って。

あと、頭にもこれを被って」


「……分かりました。

……あの、彗は重症ですか?」


渡されたものを身につけながら訊く。


「……今はまだ分からない。

とりあえずこの部屋で命を繋いでいるのでどうなるかは分からないってことを覚悟しておいてください」


「……はい」


静かに部屋の中に入ると、さっきの留守電の主らしき女性がいた。


「……彗は、大丈夫ですか……?」


「……来てくれたの……。

彗くん、あなたの事をずっと待って呼んでいる。

今は目を閉じているけれど」


隣にそっと座り、手を握る。


その手からは無情な程に何も感じ取れない。


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