雪の光
「……んん」
自分の独り言だと思った。
「……んだよ……」
明らかに、私の声じゃない。
「……彗?」
思っていたよりも冷静にナースコールを押していた。
こっちの方が夢みたいだった。
医師達がぱたぱたと駆けてきて、彗の瞳孔や心拍数を確認して、「一緒にいてあげて下さい」とだけ言って部屋を出た。
まだ経験の浅い医師なのか、とても悲しそうな表情をしている。
彗が死ぬことだけが分かった。
「彗、聞いたよ。刺されたんだって」
「……前にもあったよな、こういうこと」
「うん」
「逆だな……」
大量の管に繋がれている彗は、見ていてどこに目をやればいいか分からない。
むせ返りながらでも喋ることが出来るのに、もうすぐ死ぬなんてとても信じられない。
「なあ……」
「うん」
「俺、本当に死ぬんだな……」
そう言ってから大きく息を吸い込み、またむせる。
今度は嫌な感じのむせ方だ。