雪の光
彗は今、私が数ヶ月前に歩こうとしていた道を確実に進んでいる。
もうどんな医学の力でもきっと止まらない。
それは彗の意思でも他意でもなんでもないものだ。
「……死ぬ……」
もう一度呟いた時、私は大切なものをなくした気持ちになった。
「……また、侑里の音が聞きたい……」
「……え?」
何を言っているの……。
私しか知らない、私だけの秘密。
その直後、ヒュッと呼吸が荒くなった。
「……っ!……ヒュッ……!」
明らかに普通の呼吸じゃない。
やばい、呼ばないと!
震える手でナースコールを連打する。
お願い、早く来て。
ばたばたと慌ただしい音がして、今度は年配の医師が入ってきた。
処置を施されている彗は楽になるどころかどんどん苦しんでいる。
「……ゆっ……り……!」
「喋らなくて、良いから……!」
その間にもどんどん彗は青ざめていく。
機会の音がうるさい。
「……茜っ……は……?」
「……いるっ、……大丈夫だから……!」