雪の光
思わず嘘をついてしまった。
なにもやましい事なんてないのに。
だけど、今だけは誰に何を言われようと私は彗の傍にいたかった。
私ひとりが、彗の傍にいたかった。
茜ちゃんの方が私よりも彗の近くにずっといるから呼ばないといけないのは分かっている。
とんでもないエゴイズムだけど、この時間が欲しい。
「まずい、血圧がどんどん下がっている」
「脈拍も落ちています!」
「彗!大丈夫だよ!」
さらに手を強く握る。
もう目を開けているだけでつらいのかもしれない。
苦しそうなのに、目はとろんとしている。
どこを見ているか分からない目。
「彗!彗!
私、まだ彗と全然話せてない!
もっとたくさん話したいことがあるの!」
「……もう、……だいじょ……ぶ……、だろ……、ゆ、り……」
「足りない!
だから、生きてよ……!」
「……生きてる……ほうが……い、い……」