雪の光
「……起きてよ、もう一回。
彗、私これからどうしていいか、……分かんないよ……」
周りに人がいるとか迷惑だとかなんてどうでもよかった。
彗が戻ってくるなら、なんでもするのに。
「彗、彗……!
なんで、……逃げれば、……逃げれば、助かったのに……!
何を守りたかったの……」
頬に触れると、私の指のあとがそのまま残る。
死んだ人間は、弾力を失う。
「……彗がいないと、毎日が寂しくなるよ……」
もう一度、手を握ろうとした時、入口の方から声がした。
「……彗くん、本当に……?」
茜ちゃんだった。
その目は私を見ている。
「……わたし、言ったよね」
当然何のことか分かっている。
「言ったよね!」
耳元で怒鳴る。
「……ごめん、場所が違った。
明日、この住所に来て」
紙切れを渡される。
さっき書いたらしく、涙でふやけている。
私は返されたけれど、茜ちゃんはこの後のことでいろいろと話があるからとまだ病院に残った。