雪の光
「あんた、……気持ち悪い!
おかしい、あんた頭おかしいんじゃないの!
帰って!今すぐ帰って!
もう来ないで!
遺品整理だって手伝いに来なくていい!」
茜ちゃんが無理矢理私を外に出して鍵まで掛けた。
当然だと思う。
それが正常だ。
帰ろうとすると、クリップに挟まれたメモが落ちていた。
明らかに茜ちゃんが私と一緒に追い出したものだ。
ドアを開けようとすると、思い切り内側から押された。
「待って!これ、落としたよ!」
隙間からねじ込むとまた突き返される。
「あんたの!帰って!」
答える余地もなくドアは閉められてしまった。
隣を見ると、彗の家だった。
初めて見る。
素っ気なく書かれた『雪宮』という名字。
ここしかなかった。
私は今すぐにでも泣き叫んでしまいそうだった。
ドアノブに手をかけた時、不法侵入という言葉が頭を巡ったけれど、それでも入りたかった。
ドアを引くと、
開いた。