雪の光


「え……」


だけど、ここ以外のどこでこれを読んだらいいの。


そのために、ここに来た。


ストーカーみたいでごめんなさい、と思いながら中に入る。


我慢出来ずに読んでいく。


最初の方は私の知らない彗だった。


誰と遊んだとか、友達に彼女が出来たとか、進路についてとか。


茜ちゃんについて。


だけど、私がいちばん気になったのは、『日記』ではなく『メモ』ということだ。


しばらく読んでいくと、彗は高校二年生になった。




『5月18日

茜が俺のことを好きだと言った。
返事は少し待ってもらうことにした。』





出来事だけを淡々と綴っているのが、彗に気持ちが分からないことを物語っている。


茜ちゃんへ返事をするまでの間は茜ちゃんのことが一切書かれていなかった。


きっとそれは、茜ちゃんを傷つけないための彗なりの配慮だったと思う。





『5月21日

茜に返事をした。
泣かせたことは申し訳ない。
でも、嘘をついてまで付き合うとかは考えられない。』




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