雪の光
「そんな感じはしていた。
誰かをすごく大事にしている目だった。
それでも俺、高1の時から好きだったから諦めきれなくて、当たって砕けろ精神で侑里に話しかけたんだ」
顔が少し赤くなっている。
それが校庭の桜とぴったりで絵になる。
……ああ私、こんなにもいい人に好かれていたんだ。
今さら気付いた。
遅かった、と思ったけれど、思い直した。
今、気付けてよかったのだ。
そう思うと、言葉が勝手に溢れる。
「ありがとう、好きになってくれて」
「握手しよう」
「うん」
「これからも、お互いに頑張れるように」
「そうだね」
きつく手を握りあって、私達はどちらからともなく別れた。
階段を降りたところで時間を確認すると、だいぶ話していたみたいだった。
お母さんの気が変わらないうちに写真撮らないと。
気まぐれだから。