雪の光
外に出たいけれど、ドア付近には部活の同級生が固まっている。
真剣な話でも、私は必ず最後に呼ばれるか、終わったあとに話を知ることが多い。
去年は同じクラスに部活の人がいたけれど、今年は完全に1人だ。
いろんな意味で。
深呼吸をして、脈拍を抑える。
焦るといつも出来ていることが出来なくなってしまう。
震える手を悟られないように、恐れていることを悟られないように、最大限に「いつも」を振る舞って彼女達の横を通る。
おかしいけれど、必死だった。
ただ、「ちょっと通して」と言えばいいだけなのに、それすら私は言えない。
誰にでも出来ることが、私は出来ない。
それが惨めで悔しくて泣きたいのに、泣けない。
外に出ると、空気の冷たさが沁みて肌がピリピリと痛かった。
「お前のことなんか誰も見てねえよ、自意識過剰もいいとこだろ」って言われているような痛さ。