雪の光


午後の授業は静かだった。


50人くらい入れる教室に15、6人くらいしかいない。


真剣に聞いている人、寝ている人、ノートを眺めている人、黒板を見つめている人、窓の外を見ている人、内職をしている人。


先生は何も言わずに淡々と今解いたばかりの問題の解説をしている。


この文が、この単語が、この接続詞が。


私たちにそれが吸収されていようとなかろうと、構わずに解説は進んでいく。


受験はこれからなのに、既に私はうんざりしかけている。


時計を見ると、あと半分以上残っている。


この授業が終われば、部活に行かないといけない。


「……じゃあ、月岡。

この文章はどこに繋がっているか分かるか?」


「……この文章ですか?」


「そうだ」


「前の段落、だと思います」


「その通り。……で、これを参考にすると……」


どうにか答えられたことに安心した。


あの先生は、いつもはほとんど当てないのに。


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