雪の光
「冬休みはどうだったの?」
「話すようなことなんてなかったよ」
「へえー、じゃああの子は?
侑里が前に一緒に走ったらしい男の子は?」
あったといえばあったのかもしれない。
果たして言っていい事なのか。
「……イルミネーションを見に行った以外、特になかったよ?」
その瞬間に千夏の目が輝いた。
「それってデートじゃん!
良かったね、好きな人といられて」
「や、好きって訳じゃないんだけど……」
「じゃあ嫌い?
でも嫌いな人とイルミネーションなんか見ないよ?」
「それはそうだけど……」
「好きか嫌いかで言ったら?」
とても嬉しそうに聞いてくる。
それが私は困ってしまう。
「……好きでも嫌いでもないかな」
「友達?」
「友達も違う気がする……」
彗は好きな人でもなければ友達でもなく、かといって目の敵にしている訳でもなく、うまく言い表す言葉を見つけられない。
私たちは、ただ死を通して繋がっているだけだ。