雪の光


こんなことを言ったら千夏はびっくりして怖いものでも見るように私と接するに違いない。


「ま、今度ゆっくり教えてもらうよ」


いいことを知ったとでも言うような笑顔で教室を出て行った。


「待って、本当に違っ……」


上手い具合に千夏にするりとかわされてしまった。


……あーあ、本当に違うんだけどな。


ちょうどその時、チャイムが鳴り、体育館へ移動をしないといけないことを思い出した。




「制服を整えてくださーい!」


生徒手帳に載っていそうなくらいに真面目に制服を着こなした生徒会長さんが呼びかけている。


同学年なのにすごいと思う。


あの子は推薦でも取っていいところに無条件に行けるんだろうな、なんてことを思った。


「そこのスカート短い人、ちゃんと下ろしてー」


偉すぎる。


「侑里!」


千夏が口パクで侑里の事だよ、と教えてくれた。


試しに生徒会長さんのことを見てみると、うんうん頷いている。


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