雪の光
「ごめんなさい」
トイレに入り、スカートの丈を調節する。
どうしてスカートを短くしてはいけないのか分からない。
誰にも迷惑をかけていないんだからいいじゃない。
それに疑問を持っている人はたくさんいると思う。
私なんかよりも短い人はいるし、しかも薄くメイクまでしている。
私だけが注意されたことは不満だったけれど、短くしていたのは事実だから仕方がない。
体育館へ戻ると、千夏が待っていた。
「あーもう侑里ってばー。
新学期から何やってるの!」
「始業式だってこと、忘れてて」
「侑里、頭良いのに天然なんだよー。
まあ、そういう所にぐっとくるやつも多いんだよね」
「え?どういうこと?」
「そういうこと」
「全然分からないんだけど」
「ほら、そういう所」
「え?」
「そのうち分かるよ」
今日2度目の意味深な笑い。
本当に分からない。