雪の光


「えー、冬休みは終わりました。

いかがでしたか?

ああ、遊びまわったと。

もちろん宿題は終わっていますよね?

好きな人に告白?いいですね。

え?勉強で終わってしまったと。

あなた達は受験生でしょう」


そこで笑いが起きた。


「……いろんな冬休みがあったと思います。

これからは、皆さんには今より1学年上という気持ちで学校生活に臨んでもらいます。

高校1年生は高校2年生、高校2年生は高校3年生です。

現高3生は受験に専念してください。」


……またか。


1学年上の意識を持たなくても、勉強をしっかりやればいいだけのことと思う。


そして年相応の振る舞いが出来ればいいんじゃないの。


それなのに、こぞって先生達は『受験生ゼロ学期』やら『新何年生』と言いたがる。


訳わかんない。


きっと彗ならわかってくれると思う。


息苦しい。


校長先生の話を聞きながら密かに反発していた。


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