雪の光


「もー侑里ちゃんってば反応薄ーい。

高校生の子供がいてもまだまだ恋愛が出来るあたしってなかなか魅力的なんじゃなーい?」


「……」


「あ、もしかして妬いちゃったー?」


止めて、これ以上言わないで。


また私は切ってしまう。


「だいじょーぶだいじょーぶ!

侑里ちゃんもそのうちモテるから!

今は冴えなくてもだいじょーぶ」


酒臭い息でヘラヘラしている。


どうして昼間なのに酒を飲んでいるの?


どうして不倫したの?


どうして、どうして、どうして。


さらに心臓が激しく脈打つ。


手首も太ももも、痛い。


どうすれば治まるの?


「ねーえ、反応してよお」


うるさい、うるさい。


「へへへー、ちょおっと侑里ちゃんには早い話だったかなあ」


「やめて」


「んん?」


「お願い、やめて」


「なあにい?」


明らかにおちょくっているのは分かっている。


だけど、頭に血が昇っている今、どうにも出来ない。


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