雪の光
……疲れた。
何に対してか分からない。
お弁当を食べる気力も無い。
いつもなら半分くらいは食べられるのに、今日はひと口も食べられない。
食べたら吐いてしまう気がする。
脈拍を抑えようと深呼吸をしていると、誰かが入ってきた。
「……春川くん」
「月岡さん、どうしたの?」
「ちょっと気分を変えたくなって。
……春川くんこそどうしてここに?」
「俺、いつもここで昼飯食ってるんだ。
もうすぐコウキ達も来るよ」
「そうなんだ。
……なんか申し訳ないから、出るね」
「いいよ、せっかく気分変えに来たんならここにいればいいじゃん。
あいつらと話すの、きっと楽しいと思うよ」
『楽しい』という言葉に魅力を感じた。
どんな感覚なのか、気になる。
「……うん、ありがとう」
言った途端に緊張してきた。
春川くんと言ったら教室の中心的存在なのだ。