雪の光


落ち着かなくなっていると、春川くんの友達が来たらしい。


「あれ、月岡さんじゃん。

どうしたの?」


間宮くんが言う。


「あ、ええと、いろいろあって」


「へえー、それでここに?」


「まあ、はい」


「立ってないで座りなよ」


コウキこと羽原くんが言う。


「……うん」


「うわー律儀ー。

今どきこんな子がいるんだ」


「お前親父くせえ」


北原くんが突っ込む。


「ごめんね、月岡さん。

うるさいでしょ」


「全然、大丈夫。むしろ楽しい」


「良かった」


「月岡さん、こいつが誰か誘ったの初めてなんだよ」


「へえ」


「バカ、うるせえ。

余計なこと言うな!」


「こいつ、結構シャイだから月岡さん見ててやって」


「うん」


「うわー素直」


その後も会話が弾んであっという間に時間は過ぎて、もう午後の授業が始まりそうだった。


急いで教室に戻ると、まだ先生は来ておらず、4人で顔を見合わせた。


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