雪の光


「やっべ!俺全然進んでない」


「やば、私も」


「ちょっとやろうぜ」


とりあえず教科書に向かったけれど、不思議な気持ちで満たされていた。


いつの間にか、私は普通に話せるようになっていた。


普段なら笑わないようなことでも、今日はたくさん笑えた。


今、こうしていることの方が信じられないくらいだ。


こんなことはもう2度と来ないと思うくらいに幸せな気持ちだ。


それと同時に一生の幸せな時間を全て使ってしまったような罪悪感がほろ苦い。


幸せが怖いということを、私は今、味わっている。


一生の幸せの時間、増やせないかな。


もう一度、やる気を起こして教科書に取り組む。





「……そろそろ帰らない?もう暗いし」


「そうだな」


「じゃあ帰るか」


支払いを済ませて私達は店の外に出て、軽く挨拶をして別れた。


「……じゃあ、ね」


「ま、明日また会えるし」


「そうだね」


私達はそれぞれの家に向かう。


不思議なほど、彗にあの場にいてほしかったと今思う。


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