水月夜
「先輩が直美のことを恋愛的な意味で好きじゃないって言ったあと、雨宮くんが直美に先輩の言葉を伝えたんです。それで直美は落ち込んで。落ち込んでる直美をはげまそうと思って応援したら、直美が緒方先輩にもう一度アタックするって張りきって。私のせいです、ごめんなさい」
「…………」
頭をさげてもう一度謝ったが、緒方先輩はなにも言おうとしない。
私の行動が自分を苦しめたと知って、私に嫌悪感を抱いたのかも。
私への嫌悪感が大きくならないうちになんとか言わないと。
心の焦りが加速し、背中に変な汗が流れてくる。
「わざとじゃないんです。ただ小学校のときからの親友を応援したかったんです。でも、まさかそれが先輩を苦しめていたなんて……」
言葉を吐きだすにつれて、声がどんどん小さくなった。
それは、緒方先輩がどんな反応をするか想像していたから。
頭をさげたまま小刻みに体を震わせていると、頭に手が置かれる感覚がやってきた。
おそるおそる顔をあげた先には、やわらかな笑みを浮かべる緒方先輩がいた。
「…………」
頭をさげてもう一度謝ったが、緒方先輩はなにも言おうとしない。
私の行動が自分を苦しめたと知って、私に嫌悪感を抱いたのかも。
私への嫌悪感が大きくならないうちになんとか言わないと。
心の焦りが加速し、背中に変な汗が流れてくる。
「わざとじゃないんです。ただ小学校のときからの親友を応援したかったんです。でも、まさかそれが先輩を苦しめていたなんて……」
言葉を吐きだすにつれて、声がどんどん小さくなった。
それは、緒方先輩がどんな反応をするか想像していたから。
頭をさげたまま小刻みに体を震わせていると、頭に手が置かれる感覚がやってきた。
おそるおそる顔をあげた先には、やわらかな笑みを浮かべる緒方先輩がいた。