水月夜
また耳もとでコソッとささやく雨宮くん。


「うぅっ……」


雨宮くんに『言え』と言われたからには、きちんと言わないと。


そう思い、雨宮くんの顔を見て口を開けた。


「は、颯……」


「聞こえない。もう一回」


うぅっ。


「す……好きだよ、颯!」


目をつぶり、雨宮くんに思いっきり抱きついた。


「り、梨沙……!」


さすがに抱きついてくるとは思わなかったのか、雨宮くんは驚いている。


しかし、抱きついてから数秒後、聖奈が小さい声で注意した。


「こら、そこのバカップル。あんたらのせいで、私たち注目集めてますよ?」
< 423 / 425 >

この作品をシェア

pagetop