ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「こんなこと言えた義理じゃないが、お前には、いつか好きな人と幸せになって欲しかった」
「お父さん……」
見たことがない父の表情に、私も目頭がかっと熱くなる。小さく深呼吸をして、込み上げてくる涙を飲み込んだ。
「颯馬さんっていうんだけど、とってもいい人なの。ひどいことなんて一度だってされていないし、むしろ……」
頭にその姿を思い浮かべるだけで胸が焦がれる。
「優しくて、素敵な人よ。今度お父さんにも紹介するから」
「小春。お前……」
微笑むと、涙が溢れてしまった。そんな私を見た父は、心底驚愕した様子で目を丸める。そして、
「お父さんのカバンあるか?」
と天井を見上げたままつぶやいた。私がいささか狼狽しつつも、「一応持ってきているけど……」と返すと、父は「取ってくれ」と告げる。
私はテレビの下にある収納棚から父のカバンを取り出し、手渡した。すると、手を入れてなにかを探していた父が、見つけたそれを私に突き出す。
「お父さん……」
見たことがない父の表情に、私も目頭がかっと熱くなる。小さく深呼吸をして、込み上げてくる涙を飲み込んだ。
「颯馬さんっていうんだけど、とってもいい人なの。ひどいことなんて一度だってされていないし、むしろ……」
頭にその姿を思い浮かべるだけで胸が焦がれる。
「優しくて、素敵な人よ。今度お父さんにも紹介するから」
「小春。お前……」
微笑むと、涙が溢れてしまった。そんな私を見た父は、心底驚愕した様子で目を丸める。そして、
「お父さんのカバンあるか?」
と天井を見上げたままつぶやいた。私がいささか狼狽しつつも、「一応持ってきているけど……」と返すと、父は「取ってくれ」と告げる。
私はテレビの下にある収納棚から父のカバンを取り出し、手渡した。すると、手を入れてなにかを探していた父が、見つけたそれを私に突き出す。