ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「たしかに相手が闇金融なら、払わない方法もいくつもあった。だが、恨みを買って、後に店を潰そうと店に嫌がらせをされたり、君やお父さんに危害が加えられたりする可能性も否めなかった」

「……そのために、わかっていて返してくれたんですか?」

「君の大切な人と場所なんだろ?」

 颯馬さんが、晴れやかな顔になる。

「俺も、なにより君に無事でいてほしい」

「どうしてそこまで……」

 ただ偶然困っている私を見て、都合が良かったから契約を持ちかけたんじゃないの?

 混乱した。

「……颯馬さんはあの夜より前から、私を知っていたんですか?」

 やはり、それだけじゃないんだ。以前から何度も脳裏に浮かんだ疑問。颯馬さんには、私の知らないなにかがある。
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