ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「ありました。西留さんが来たら、お願いしますね」

 そう告げると、颯馬さんは『ありがとう。頼むよ』と柔らかな口調で言い、『それじゃあ』と電話は切れた。

 私は一瞬、手に持ったそれを見つめる。

 西留さんに会うのは、ホテルで颯馬さんのご両親と顔を合わせたあの日以来だな。

 なんとなく足が竦むのは、西留さんの冷ややかな目が頭を過ったからだろうか。

 私は気後れしながら、リビングで西留さんの到着を待った。
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