蛍火
その顔色は、やはり昨日よりやけに赤いように見えた。いつもなら白い頬がほんのりと赤くて、可愛いな、などと考えてしまう自分を殴りたい。
あまり縁側に座らなくなったましろは居間で座布団を枕に横になりながら、水やりをする優夜をぼーっと見ていた。

「……ましろ、ハルのところ行くぞ」

「いいよ、今日は大丈夫」

「…っ、そんな顔で説得力ねえぞ……」

一昨日だって発作を起こしたばかりだというのに、ましろは強がっているのだ。最近、急激に発作の頻度が増えているのがもどかしい。
この子はあまり甘えてくれない。
彼女はやっぱり素直じゃなくて、そこが可愛いところでもあるのだけれど、この時ばかりは優夜もましろのその性格にイラついてしまった。

「…行くぞ、」

「だからいいってば、今日は別になんとも──」

「いいから行くぞ!」

「っ!」
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