ハツコイ 2
「…おいで、柚。」




琉偉の声が、低くなった。




一歩一歩、琉偉に近づく。




その度に、ベビードールの裾が太ももに擦れて、もどかしさを感じる。




先週、二人で悩んで購入したダブルベッド。




そこに、ゆっくりと組み敷かれる。




「なんか、今だけは…水樹に感謝してる。」




「え?」




「…こんな下着、売ってることすら知らなかった。」




私に跨ったまま、まじまじと見つめられる。




「そ、そんな見ないで…」



「ダメ。もっとちゃんと見せて…」




そう言って、琉偉の手が、ベビードールを撫で上げる。


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