明日キミに聴かせたい
「じゃあ先輩が羽流をどれぐらい好きか教えて下さい!!」
「え…どうやって?」
「そんなの自分で考えて下さい。好きの表現なんて沢山あるでしょ」
無茶を言っているなと言うことは自分でも薄々わかっていた。
もしも自分が誰かに好きな人をどれぐらい好きか表現しろと言われたらどうやって表現したらいいのか、どうやって伝えたらいいのかわからない気がすると思いながら、そんな無茶を私は花瀬名雄にぶつけている。うわ、私って最低。
だが今はそれも上等だ。
「うーん……そうだなぁ…白神さんが望むならなんでも出来る…かな」
「はい?」
「白神さん訳あって不登校なんだよね?その訳の部分を白神さんが望むなら徹底的に排除するよ。どんな手を使ってでも」
そう言って微笑んだ花瀬名雄の表現はいたって真剣で、床に触れる私の手が、床の冷たさからなのか、目の前の人物が放つ何かからなのか、微かに震えているように思えた。