明日キミに聴かせたい
2年の校舎から1年の校舎に戻る途中、私は何度も涙を拭った。
先輩の言うように私は先輩を好きすぎるあまりあっさり羽流のIDさえ教えてしまった。
理由だって先輩が言うようにただ先輩に好かれたいがためだった。
どこをどう見たってどこにも羽流のためにしたところなんてない。
結果的に羽流にぬいぐるみを投げつけられたし、痛いところを突かれて呆れられた。
「わかってるってば……」
そして結果的に先輩に嫌われた。
誰が悪いかなんてはっきりしていた。
悪いのは私だけ。
キーンコーンカーンコーン・・・
校内に響くチャイムを背に私はサボろうと屋上へ続く階段を上がって辿り着いた屋上へのドアの前、後三段の所で私は足を止めた。
「君もサボり?」