明日キミに聴かせたい
顔を週刊誌で隠しながら寝転がっている男子生徒に声をかけられ、私は上靴を見ようと足元を見たけれど、まさかの上靴を履いていなかったので学年がわからず困ってしまった。
「そっちは1限目何?」
「え、数学…です」
「ああー数学嫌いなんだ?」
「好きな人なんているんですか?」
「それがいるんだよなー」
「例えば?」
「例えば、数学者とか」
「他には?」
「俺の親友とか」
「あなたは?」
「俺?俺は数学嫌いだよ?あんなに数字見てたら頭やられる。ははは」
後三段の所で私は階段に座りながら学年のわからない男子生徒としばらく話しをした。