明日キミに聴かせたい
誰かにこの清々しさを聞いてほしい。
誰かに伝えたい。
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ピンポーン、ピンポーン。
「はい?あらなっちゃん。おかえりなさい」
「ただいまです。あの羽流は?」
「まだ寝てるのよ~叩き起こしてあげて」
「はい!お邪魔しまーす」
聞いてほしい。そう思ったのは羽流にだけだった。
いつだって誰かに聞いてほしい時、いつも最初に羽流が浮かぶぐらい羽流の存在は大きくて大切なのに、なのにあんな奴にハマって見えなくなって、自分の感情が熱すぎるあまりに羽流が嫌がる事をしてしまった。
「は~る~?」
小声で部屋に入ると、おばさんの言う通り羽流は天使のような寝顔で眠っていた。
もう絶対しない。
もしも次に恋をしても、絶対羽流が嫌がることや傷つくことはしないからね。
「ふふふ」
机にあった水性ペンで羽流のほっぺにちょっと落書きをしたのはここだけの内緒ね。