明日キミに聴かせたい
そして男性に支えられながら私は、黒い軽自動車に乗せられた。


「あ…」

その車は、間違いなく3人に乗せられた車と同じ車だと気づいた私の鼓動は途端に加速し、恐怖がやって来た。


「大丈夫。絶対なにもしないから安心して」


そう言うと男性は私の顔を見ると「ごめんな」と言った。

その姿は私が乗せられた時に運転席に座っていた男性と同じ人物だと私に気づかせた。


「まさかあいつらが君をこんな目に遭わすなんて思わなくて…」

「し、知り合い…な、なんです…か…?」

「いや、SNSで今日車出してくれる人って声かけてたんだよ。で、暇だったからいいよ~って返事したんだけど、君を連れて車に来た時ちょっと違和感あったんだ…だからあいつら適当に駅で降ろして戻ってきたらこれだろ…マジかって…思っ…てさ!はい」


ブオオオオンとドライヤーの音がしたと同時に男性からドライヤーを手渡しされた私は頷きながら受け取ったドライヤーで髪を乾かした。





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