明日キミに聴かせたい
翌朝、私は学校に向かったけれど、１限目をサボるため、そのまま屋上へ続く階段を駆け上がった時、あと３段の所で足が止まり、私の胸は一瞬にして高まった。


「あ…」


視線の先には、以前と同じ様にの週刊誌を顔を隠すように置きながら寝転がってる男子生徒の姿があった。

胸の高鳴りをそのままに視線を上履きへと向けると、あの時の男子生徒と同じ２年生だと確認出来たことで私の胸は更に高まっていった。

声をかけようか、寝ていたら起こしてしまうからやっぱりやめておこうか……

そうしてあと３段の所でしゃがんだり立ったりを繰り返していると…


「何してるの？」


その声にふと顔を上げると、雑誌で顔を隠したまま男子生徒は私に話しかけてきた。

「あ、いえ…」と突然の声にあたふたしている私に気づいたのか「そんなあたふたしなくていいよ」とあの時と同じ優しい声で話しかけてきた。

そして続けて「今日は泣いてないんだね」と言った男子生徒の言葉に私はあの時の男子生徒なんだと確信し、自分の事を覚えてくれていた事に心の中でガッツポーズをするほど喜んでいた。

そして私はあの時と同じ３段手前で座り、男子生徒に話しかけた。


「」
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