明日キミに聴かせたい
「ねぇ、もう1回そいつの親友と話してみたら?」
「え?」
「1度だけじゃわからない事もあるよ…」
うつ伏せながら考えていると、頭の上にバサッと雑誌が置かれ、男子生徒は私の目の前に立ちながら「また悩んだら聞くからさ」と呟いて私の前からいなくなった。
頭から雑誌を取ると、またも私はセリフを読んでしまった。
それは「もし私の親友を泣かすようなマネしたらあんたタダじゃ済まないからね!!一生呪ってやるんだから!!」と女子高生が不良男子を指差しながら叫んでいるシーンだった。
「ははは…」
はぁ……と息を吐いて私は薄汚れた古い天上を眺めながら男子生徒の言葉を思い出し、羽流の笑顔を思い出して立ち上がり、1限目の終わりを告げるチャイムと共に走り出した。
「あの…花瀬名雄先輩…いますか?」
「あー、花瀬~」と教室内に居る生徒に呼びかける先輩を見ていると、後ろからポンポンと肩を叩かれて振り向くと、そこには伏本先輩が優しさを見にまといながら立っていた。
「どうしたの?」と私の顔を見るなり伏本先輩は首を傾げた。
その表情に萌えた。なんて言えないし、好きです。とも言えないまま胸がぎゅっと締め付けられている私の後ろから「加山さん?」と花瀬先輩が声をかけてきた。