リングサイドブルー
「それ、うちじゃなくて外部に発注とかそういう話です?」
 千晃がおそるおそる尋ねると、塚原は額に手のひらを当てて、憂鬱な息を吐いた。

「ちょっと行ってくる」
 否定もしないということは、もしかしなくてもそういうことなのだろう。

(まずいぞ)
 千晃はメモ書きの会社をもう一度思い起こしながら、焦りを感じた。

 グループ会社からの仕事の中でも、親会社の使っている業務システム関連が売り上げの大部分を占める。

下手を打てば部門が潰れかねない状況であり、そうなった際には異動が待っている。定時上がりができなくなれば、心暖の預け先も考えなくてはならない。

「すげえなあ、新井部長だろ? ついにうちを切ってくるかあ。改革だとか騒いでるだけじゃなく、ほんとうにそういう流れを作るってのはすごいバイタリティだよな」

 社員の一人が感心したように唸っている。
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