リングサイドブルー
無駄な時間を消費している場合ではないというのに。とにかく今日の作業を終わらせて、早く心暖を迎えに行かなければならない。

昨日は自社への連絡で仕事上がりが遅くなり、夕飯を実家で食べさせてもらっている。それが二日三日と続けば、心暖はどこか見限られたように感じてしまうかもしれない。言葉をうまく話せなくても、子供は感じるものなのだ。

「ちゃっきーって子供っぽいとこあるよね」

(どっちが)千晃は気持ちを押さえ込んで唇を結ぶ。

 就職して二年目という、仕事のキャリアは同じだ。就職活動の時期だって同じになる。フリークスタンダードの採用面接に千晃が落ちて、優月は採用されているということだ。

全国から何百人も応募がある中での、たったひとりの採用は、どこを切り取っても敵わない相手であってほしかったのに、こんな子供じみた男だと思うとがっかりした。
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