リングサイドブルー
「そういうの、会社の売りにしないんすか」
「色覚バリアフリーなシステム作りますって? 出さない。だってそんなの売りにするまでもないことだから」
「だってよ。フリークスタンダードは社名どおり、スタンダードが違うねえ。森住さん」
橋爪が腹をゆすって笑った。
「さーせんね、うちの作ったシステムはいろいろ気が利かなくて」
たぶん、自社にそういった意識を持ってUIを作っているデザイナーはいない。
「普段生活してて、見やすくないウェブ環境に慣れちゃってるから、不便を感じてるはずの本人が気づかないことってたくさんあるんだよね。
でも何も言わないからオッケーじゃなくて、そういうのこっちから掬ってあげたいよね。仕事に線引きしちゃうと、俺自身も気づける機会減っちゃうから、そういう意味でもちゃっきーに見てほしかったの」
話を聞きながら、千晃はなんとなく父子家庭という、世間一般で少数に属するであろう自分の環境に置き換えて考えていた。
当たり前になりすぎていて見えない不便、具体的な何かはすぐに思い浮かばなかったが、妙に引っかかった。
「色覚バリアフリーなシステム作りますって? 出さない。だってそんなの売りにするまでもないことだから」
「だってよ。フリークスタンダードは社名どおり、スタンダードが違うねえ。森住さん」
橋爪が腹をゆすって笑った。
「さーせんね、うちの作ったシステムはいろいろ気が利かなくて」
たぶん、自社にそういった意識を持ってUIを作っているデザイナーはいない。
「普段生活してて、見やすくないウェブ環境に慣れちゃってるから、不便を感じてるはずの本人が気づかないことってたくさんあるんだよね。
でも何も言わないからオッケーじゃなくて、そういうのこっちから掬ってあげたいよね。仕事に線引きしちゃうと、俺自身も気づける機会減っちゃうから、そういう意味でもちゃっきーに見てほしかったの」
話を聞きながら、千晃はなんとなく父子家庭という、世間一般で少数に属するであろう自分の環境に置き換えて考えていた。
当たり前になりすぎていて見えない不便、具体的な何かはすぐに思い浮かばなかったが、妙に引っかかった。