リングサイドブルー
「森住さーん」
首藤だ。人目も憚らずに、こちらに向かって手を振っている。社員たちから浴びせられる好奇の視線に、居心地の悪さを感じながら、千晃はしぶしぶ折り返した。
人に囲まれながら食事をするくらいならば、システム課に戻りたい。そんな考えを見越してか、首藤は食べかけの弁当を抱えて女性社員の輪から離れ、ひとり窓際の席に移動した。差し込む光が眩しすぎる、その一帯は妙に空いている。
「どうですか、森住さん。慣れましたか?」
「はあ。なんとか」
自分からここへ話をしに来たというのに、いざ向き合うと言葉が出てこない。袋から弁当箱を取り出して、テーブルの上に置く。好奇心に満ちた首藤の目が、早くも蓋に向かう。
人から見られることを想定していなかったから、今日の弁当はかなりいい加減だ。昨晩も、今朝も自分のことどころではなかったのだ。
首藤だ。人目も憚らずに、こちらに向かって手を振っている。社員たちから浴びせられる好奇の視線に、居心地の悪さを感じながら、千晃はしぶしぶ折り返した。
人に囲まれながら食事をするくらいならば、システム課に戻りたい。そんな考えを見越してか、首藤は食べかけの弁当を抱えて女性社員の輪から離れ、ひとり窓際の席に移動した。差し込む光が眩しすぎる、その一帯は妙に空いている。
「どうですか、森住さん。慣れましたか?」
「はあ。なんとか」
自分からここへ話をしに来たというのに、いざ向き合うと言葉が出てこない。袋から弁当箱を取り出して、テーブルの上に置く。好奇心に満ちた首藤の目が、早くも蓋に向かう。
人から見られることを想定していなかったから、今日の弁当はかなりいい加減だ。昨晩も、今朝も自分のことどころではなかったのだ。