リングサイドブルー
「システム課の方に事情を説明してみたらどうですか? それか開発責任者の方とか。神長さん。理解ありそうですし、何かいい方法考えてくれそうですけどねえ」

「そうかもしれないけど、仕事をしに来る場所で個人の事情を理由に、自分だけが特別扱いされたら、俺も気を遣うし、対等な関係とは言えないですよね」

 話しながら、優月の顔が思い浮かんだ。スタートから大きく差を開けられているが、自分から望んで出向してきた以上、意地もある。

「特別扱いされたくないんですよね。いまの仕事では絶対に」

 自社ですべてを割り切ってだらだらと働いていた反動なのか、日々レベルの違う仕事を見せ付けられて周りの環境に感化されているのか。

自分の限界など、もうとっくに超えてしまっているというのに、どうしても認めたくないのだ。彼らと同じようにはできない、ということを。

「すいません。何言っていいか、わかんないっすよね」
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