リングサイドブルー
淡い水色のワンピースは、心暖のお気に入りだ。耳の高さで結った、ふたつ結びの髪の先は柔らかく内側に入っている。背景には客船が映っている。横浜に連れて行った時に撮った写真だ。

「ちゃっきーが髪結んであげてるの?」
「一応」

「このワンピースちゃっきーが選んだの?」
「そりゃまあ、そうですけど」

「あー、いいなあ。だってめちゃくちゃ可愛いじゃん、絶対美人になるよ。名前なんていうの? 三歳くらい?」

 千晃は質問攻めを、両手で一旦ストップさせた。この食らいつきようは、一体何なんだろう。千晃のほうが驚いてしまった。

「心に暖炉の暖の字で、ここあです。まさに三歳だけど……ゆずさん子供好きなんだ?」

「好きだよ好き、すげー大好き。俺、相手なんて誰でもいいから今すぐ子供欲しいもん。ね、今度ちゃっきーの家遊びに行ってもいい?」
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