箱入り娘に、SPを。
「そんなことより鬼塚さん、彼女いる?」

「…えっ?」

「あのね」

彼に近づいて小声でこそっとお願いしてみる。

「マッチョが好きな私の友達がいるの。鬼塚さんのことを紹介したいなぁって。ダメかな?」

「そっそれは!どうなんでしょう!マッチョ好き!?えぇーっ、どうしよう!どうなんでしょう!!」

「オッケーってことでいい?」

まんざらでもなさそうな顔をしている鬼塚さんを眺めて、梨花へ紹介して喜んで彼女が飛びつく未来が見えた。


「美羽ちゃんは鬼塚くんとも仲良くなったんだねぇ」

電話していたはずのツネさんが私たちの会話を後ろで見ていたようで、楽しげに後ろに手を組みにこにこ笑っていた。

「君たちは歳が近いのかな?」

「恒松さん!お疲れ様です!!」

「私たち同い年なんです」

大ベテランの登場に、鬼塚さんはクセなのか敬礼しそうになって思いとどまったのか、綺麗な三十度のお辞儀をしていた。

「同い年かあ。美羽ちゃんの友達もきっと美人さんなんだろうな」

よかったな、とツネさんに背中を小突かれて照れている鬼塚さんとやりとりが微笑ましかった。






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