箱入り娘に、SPを。
1063号室の前に立ち、少し開いた引き扉の隙間から中をのぞく。
中の様子がよく分からない。

ベッドがいくつか並んでいる。

扉の外にはネームプレートがあり、「三上」という名前のほかに三つのプレート。四人部屋のようだが、空欄だった。

カーテンが閉められているわけでもないし、でも誰もいないような……。

部屋の前をウロウロして悩んでいると、

「美羽さん?」

とすぐ後ろで久しぶりに聞く私の好きな人の声が聞こえた。鬼塚さんに声をかけられた時とは違う、どきりとする声。

声を聞いただけで心臓が痛い。


「ちょうど検査に行って戻ってきたところ。お見舞いに来てくれたの?」

「はい…」

いつも通りの小太郎さんの態度に釣られ、彼にどうぞと促されて病室に入る。
彼は入院着に身を包み、リラックスしている様子だった。

風通しをよくするためか、部屋の扉は少し開けておいているらしい。

小太郎さんのベッドは窓際にあった。
窓は開いていて、気持ちのいい風が部屋に吹き込んでくる。
ほかの三つのベッドは無人で、ピシッと綺麗にシーツが敷かれている。
彼のベッドはカーテンで半分ほど見えた。
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