箱入り娘に、SPを。
思っていたよりも広い室内を見回していたら、不意に顔をのぞき込まれた。

「顔……傷がまだけっこうあるね」

彼の指が私の唇の横を触った。

ビクッと震えたものの、そのままじっと動かずに彼を見上げた。

「“ごめんね”って言わないでくださいね」

「でも」

「誰も悪くないんですから。悪いのはあの人たち。そうですよね?そして、その悪い人たちを捕まえてくれたじゃないですか」

彼の想定していなかったことを、どうやら私が言ったらしい。
小太郎さんはとても驚いたような顔で私を見ていた。

「思っていたよりも、君は強かったんだね」

「昔から気が強い子で有名でした」

「なにそれ、どこで?」

「折笠家のなかで」

ははは、と彼がふにゃりと笑った。


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