箱入り娘に、SPを。
小太郎さんはベッドに腰かけ、私はベッド脇に置いてあるパイプ椅子に座った。
大の甘党なのは知っていたので、彼が好きそうなものをいくつか買ってきたのだ。

大きな紙袋からお菓子を出してみる。

「見てください!これ」

「えー!これあの有名なワッフル!」

思った通り、とても嬉しそうに食いついてきた。

「ちょっと待って、そっちはあそこのマカロン?え?それはあのドーナツ!」

「母と手分けして並んで買ってきました」

「美羽さんだって退院したばっかりだよね?」

不思議そうな、呆れたような、信じられないと言いたげな目を向けられて、それでも私は負けじと言い返す。

「喜んでほしかったんだもん」

「めちゃくちゃ嬉しいよ!嬉しいけど、僕も明日退院するんだよね」

「え!」

食べ切れるかなぁ、と悩んでいる彼をよそに、私はそういえばと立ち上がる。

「だってあんなに血が出てたのに!肩は?大丈夫なんですか?」

「こんなの全然なんともないよ。大げさに入院させられて、逆にヒマすぎて困ってたとこ。さっき傷口と握力の検査して、問題なしってもらったから」

「そっか、よかったぁ…」


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