箱入り娘に、SPを。
「キスしたい。してもいい?」

「────えっ」


抱きしめ合ったまま急にそう言われ、頭が真っ白になった。
ぱっと顔を離すと目が合い、小太郎さんがふふっと笑うのがよく見えた。というか、もう鼻先がくっつきそうなほど、距離は近い。

「したことない…です」

「初めて?」

「…はい」


真っ赤なんだろうな、私の顔。
彼に笑われるほどには。

と思っているうちに、小太郎さんが素早くベッド周りのカーテンを閉めた。

「そっか、慣れてないなあとは思ってたけど、男の人と付き合ったことない?」

カーテンを閉めた意味とは。

色々な妄想が駆け巡る中、ここは素直にうなずく。
なにしろ本当にすべてが未経験である。
二十五にして、これは恥ずかしいことなのだろうかと悩ましい。

「美羽さん。僕を信じて。僕も大好きだから」

「…はい」

「ちゃんと聞こえてたよ、あの時」


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