箱入り娘に、SPを。
現地へ到着した私たちは赤色灯はつけず、埠頭から少し離れた所へパトカーを駐車させ、ポイントへと急いだ。

半年ぶりに見つけた、三上くんの姿。

「三上くん!ごめん遅れた」

私が声をかけると、彼はうなずいた。

「来てくれてありがとう。早速なんだけどこのへんにいた下っ端、僕が全員ぶん投げちゃって気絶させちゃって。死んでないか確認してもらっていい?」

いたって真剣な顔ではあるが、信じられない言葉を言うものだから近藤くんが「え!?」と呆気にとられている。
たしかにあたりには数人の男たちが倒れている。

私は聞き返した。

「ちょっと!どういうこと?」

「手加減したつもりだけど、みんなたぶん意識ないの。確認よろしく」

ものすごく久しぶりだというのに、三上くんはまったく私のことなど見ていなかった。


スマホを見ながら、別なスマホで誰かと電話をしているようだ。
おそらく、彼の上司か誰かだろう。
会話は小声なのでよく聞こえない。

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