虚愛コレクション


口を何度かパクパクさせ、必死に音をかき集めた。


「どこ、行くんですか?」


掠れたような声。彼は私なんかの心情等察してくれないだろう。察してくれたとしても考慮はしてくれない。


「アンタには関係ない」


っていつも言ってるじゃん。と言う。ここまでまた私を突き放すのか。と腹立たしくなった。

彼に言わせれば彼女面するなと言われてしまうのだろうがどうだっていい。


「っ!関係ない関係ないって、せめて私と居る間だけでもいいから私を……あつ!?」


手にマグカップを持ったままなのを忘れ、つい手を動かしてしまった。液体が太股に掛かり、マグカップが床に転がる。


熱いと反射的に言ってしまったが実際はもう既に冷め始めていた為に生温く、熱さは感じなかった。




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