虚愛コレクション
突然スカートの中に侵入してきた手に過剰反応する。探るような手つきで太腿の外側から内側にゆるりとそれは移動する。
「っ~~!!」
下半身から上半身へとゾワゾワと何かが駆け上がって来て、慌てて制止の意を込めて手をスカートの上から抑えた。
が、逆効果かもしれない。密着し過ぎた手の部分から熱が上がる。体の芯は冷たいのに外は熱くて変な感じだった。
「なん……急に……」
動揺を隠しきれず言うと、彼はただ言ったのだ。
「アンタと遊ぶほどの余裕ないから、変な詮索はしないで」
まるで事務的かのように、感情なく。
彼の手を押さえていた私の手を、他でもない彼のもう片方の手で退かされる。
すると、すっと私から離れてまた一言。
「後は自分でやってね」
言い捨てるかのように言うだけ言って、後は奥の部屋に引っ込んでいった。
「……」
下駄箱から降り、床に足をつく。頬にも首筋にも張り付く鬱陶しい髪を一纏めに後ろに払った。
もう反抗しようなどとは微塵にも思えなかったのだ。